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それから、毎日のように"研究"という名の"地獄"が始まった。



変な機械を付けられて、変な薬を飲まされて、変な注射を打たれて、



‥‥僕の姿はみるみるうちに"化物"になった。



外見は、純粋な金色だった髪が突然変異で肩下が赤髪に染まるようになり、



薄い赤色だった瞳が突然変異で赤黒い血の色みたいな瞳に変わった。



脳も、もう計り知れない程の雑学を持ち、



どんな問題でも解るくらいの勉学を持ち、



どんな出来事でも詳細まで憶える記憶力を持った。



身体能力も、目に見えない速さの銃弾でも避けられるようになり、



どんな小さな気配でも感じ取ることが出来るようになり、



何人でも素手で殺せるくらいのことも出来るようになった。



"自分自身や自分に関係する人に起こる未来"が予測出来るようにもなった。



自分がこう動けば相手はこうなる。そんな詳細までもが予測出来てしまう。



一度会った人のプロフィールを詳細まで憶えてしまって忘れられない。



毎日毎日、頭がパンクしそうなくらいの情報が望んでもいないのに頭に入ってくる。



考えたくもないのに、無意識で考えるよう頭が出来ている。



…いや、そう"造られた"んだ。



‥‥‥‥でも、そんな日々に一途の光が射し込んだ。



"きーちゃん"が、"らーちゃん"たちが、地獄の底にいた僕を救ってくれた。



"愛情"を忘れていた僕に新たな"愛情"をくれた。



"感情"を忘れていた僕に"感情"を思い出させてくれた。



"仲間"を知らない僕に大切な"仲間"の存在を教えてくれた。



…そしてボスは、



"絶望"を忘れかけていた僕に新たな"絶望"を与えた。



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…それからは約1年前の地獄の日々に逆戻りとなった。



約1年前、実験から逃げ出した僕は暴力という名の"罰"を与えられた。



黒い仮面の男の人たちに殴られ、蹴られ、煙草を押し付けられ、犯された。



けれど僕はたった1ヶ月弱で"罰"から解放された。



…最後に、ボロボロにされて公園に棄てられて。



目覚めたら、また光り輝く"人たちの元"に居た。