「……ねえ、ボス。ここはどこ?
もういえにかえれない??」
「…来い。」
ふしぎとふるえることもなく、するりとでたといかけにボスはこたえてくれなかった。
そのかわり、ボスは手枷のつくぼくのてをひっぱってしろいみっしつをでた。
むごんでひっぱられてあるくみちは、くらくて、ほそくて、せまい。
ここにきてはじめて、すごくこわくなった。
「ボス、ここは、どこ?なにを…するとこ??」
いつまでもつづくながいみちで、きがおかしくなりそうで、ボスにまたおなじしつもんをした。
「…ここは"本部"だ。
"ある"研究をし、そしてお前は‥‥」ギィッ
いちどもぼくにふりかえることなくすすみながらこたえるボスをみあげていると、あるとびらのまえでたちどまった。
そのままこたえのとちゅうでとびらをあけ…
「"被験者"として、ここで働くんだ」
くるりとふりかえってぼくをみて、にやりとわらったんだ。
ピッーー
こわくて、ただボスにひっぱられるぼくのてをぶあついとびらのまえではなし、ボスはきかいにかーどをかざした。
プシューっとおとをたててひらいたとびらのなかは、
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ァァァァァア"ア"ア"!!!!」
「嫌アァァァァーーー!!」
………まるで、"地獄絵図"のようだった。
おおきなきかいがいっぱいあって、くろいかめんをつけたおとながいっぱいいた。
くろいかめんをつけていない、ぼくのように枷のつけられているひとのほとんどは、くろいかめんのひとにおさえつけられていた。
くろいかめんのひとのてには"注射器"や"薬"があった。
おさえつけられているひとたちは、なきさけぶひと、あばれるひと、ちをながしてぐったりしているひと、ぴくりともうごかないひと。
いろんなしゅるいのひとがいた。