…てめぇ、だったのか。



影で虹羽を守ってたのも、あの噂を流したのも。



全てはこの餓鬼がやったことだった。



……だが、



「…俺には関係ねぇ、そいつはてめぇが守ればいいだけだ。
俺は虹羽の敵だ。それくらい知ってんだろ」



俺の組は虹羽と違って、シャブに手を染めてる奴もいれば他のに手ぇ出してる奴だっている。



俺の組は所謂悪で、虹羽は善。



油と水の関係であり、関わってはならねぇ存在。



それは裏の世界での常識で、暗黙の了解。



"本部"の言葉を知ってるこの餓鬼ならその暗黙の了解を知らねぇ筈がねぇ。



「…無理だ。オレは……オレ"たち"には百桃を救うことが出来ないっ!!オレ"たち"の存在は百桃を苦しめることしか出来ないんだっっ!

っだから!!だから、、ッ…わかってる、お前が敵なのはわかってんだ……。
でもッこのまま放っておけば百桃はっ!



………確実に、壊れる…、っ。」



真剣な表情の餓鬼は初めの強さが嘘みてぇに弱々しい声で俺に訴える。



今にも泣きそうで、一歩でも間違えればすぐにでも壊れてしまいそうなくれぇ、酷く脆い。



「っ…すぐに、救ってくれとは言わない。、…ッでも!!百桃がっ、オレ"たち"が、壊れる前に、!!


……百桃を、、救ってくれ…っ!!




孤独で居ようとする、百桃"たち"を……
っ助けてくれ、。」



透明な一滴の雫を落とした餓鬼は言い終わると同時にガクッと崩れ落ちた。