琥珀「…ちゃんと見てみろよ。
お前も俺も、目線、カメラ向いてねーだろ。気づいてるわけねーよ」



呆れたような口調だが、俺にはわかった。



こーは俺と同じように泣きそうなのを耐えるためにこう言ってるんだって。



…だって、ずっと一緒に暮らしてた俺よりこーの方がひまを理解してたから。



だから多分余計に感動?してるんだと思う。



琳歌「…海って言えば、、」



スマホをのぞき込んでいた琳が顎に手を当ててふと思い出したかのように喋り出した。



琳歌「あのリングって何だったんだろう?」



龍海「リング??」



何だそれ。と海に行っていない(もしかしたら行ったことも知らない)りゅーが眉を顰めてこーを見た。



…何でこーなんだよ。



琳が言ったんだからこーじゃなく琳を見ろよ。



そう言いたくなったが、真剣な表情のりゅーを見てやめた。



神楽「リングってあれでしょ?向日葵が無くしたって探してたやつ。」



彼方「あぁ…あの、"御守り"で"生きる意味"ってやつ……。」



…あの時は今まで見たことが無かったくらいひまが必死で、ただそのリングを見つけなきゃひまが壊れそうで。



だからどうしてもひまには何も聞けなかった。



『おーい。ずっと聞きたかったんだけど、いい?』



耳に付けてるイヤホンから聴こえてきた声は、暫く聞いていなかった翼の声だった。



琥珀「何だ。」



『あのさぁ、あの時星藍が言ってたことってどうゆう意味なの??何か知ってるんでしょ。』



翼の言うことは俺たちも気になっていたことで、直球で聞く翼には流石としか言いようがない。



星藍「…………」



全員の視線が集まる中、星はジト目で俺たちを見渡し、俺で目を止めた。