琳歌「…こーくん、やっぱりここにはなさそうだよ?
隠し部屋だし、ここには隠さないんじゃないかな?」



琥珀「……確かにな。
…上、戻るか」



琳歌「うん。」



琳が俺と同じことを考えていたため、俺たちは再び螺旋階段のような隠し階段を上っていった。



階段を上り終わった俺たちの前には先程閉まった筈の扉が全開に開いていた。



多分下の部屋を出ると、ここが開く仕掛けになってるのだろう。



ギィィィーーバンッッ



琳歌「…流石の仕組みだね。」



琥珀「あぁ。センサーみてーのついてんだろーな。」



琳が扉の奥から出てすぐ、隠し階段の扉は閉まった。



オートロック式の扉なのだろう。



…隠し扉にまでオートロック式とは流石ひまだ。



隠していても、厳重に管理してる。



ガサゴソガサゴソ



ひまの設備に関心しながらも、すぐに"あるもの"探しを再開させた。



琥珀「…あ。‥‥琳、これ」



琳歌「ん??
…あ、PC?この色だと‥‥個人用かな??」



クローゼットの奥の方にぽつんと1つPCが置いてあった。



色は黒一色で、恐らくプライベートの個人用だ。



琥珀「これも一応持ってくか。何かあるかもしれねーし。
……琳は?何かあったか??」



自分の持ってきた大きなバッグに黒のPCを入れ、隣でゴソゴソと探る琳に問いかける。



ジィーーッ



琳歌「!!!!あった!こーくん、!!」



PCがあったところよりも、もっと奥にあった黒いポーチを開けた琳が声を上げて中身を手に落とす。



その中身とは、



琥珀「ひま……やっぱとっといてたか。」



計5つの全て同じ機種のスマホ。