琳歌「…こーくん、どうするの?行く??」



困惑顔のまま、隠し階段に釘付けになる琳。



俺はその階段に向けて歩きはじめ、琳に答えた。



琥珀「行くに決まってんだろ?
…やっと、ひまを知ることが出来るんだから。」



琳歌「…わかった。」



琳が後ろから着いてくる中、ギギギィッと大きな音が響き、思わず後ろを振り向いた。



バンッと俺たちが入ってきた扉が閉まり、階段は真っ暗になった。



カチッ



琳歌「さっき、棚の中に入ってたから勝手に持ってきちゃった。」



いつの間にか手に持っていた懐中電灯をつけ、琳は前にいる俺に渡してきた。



…扉が閉まって数分だろうか、螺旋階段のようにぐるぐると回っていた隠し階段にようやく終わりが見えた。



だが‥‥、



琥珀「暗証、番号??」



琳歌「うっそ!何それ、わかんないよ!?
ハッキング…は道具ないから出来ないよね……」



たとえ道具があったとしても、ひまのセキュリティを突破するのは俺にはできないだろうがな…。



地下なのにセキュリティが完璧で、暗証番号が無ければ開かない仕組みらしい。



…暗証番号は4桁の数字。



3回間違えれば一生この扉は開かないらしい。



琳歌「んー…じゃあ、無難に誕生日は?」



まぁ、ひまに限ってそんな簡単な番号ではないだろうけど……



0、7、1、2……ブーッ



やはり違うらしい。



…残りのチャンスはあと2回。



琥珀「……ひなの、誕生日?」



もしかして、、と思い、ひなの誕生日を打ってみる。



0、7、1、1‥‥、ブーッ



琥珀「チッ ちげーのかよ。」



琳歌「どうする?あと1回だよ」



…これで間違えれば、この中を知ることは出来なくなる。



……間違えることは、もう出来ない。