「………主、頼まれた。」



「主??お前は"主"に言われて族潰しをしてんのか?」



何を言ってくるかと思ったら、刹那は"主(アルジ)"という人物に頼まれて族潰しをしているという。



つまりは自分の意思ではないということだ。



「……お前、脅されてんのか」



だからオレは咄嗟に脅されているのかと思った。



だが、刹那はぶんぶんと横に首を振って全力で否定した。



「…じゃあ何故あの暴走族を潰した?
理由は聞いてないのか。」



「……ブ、ルー、スター…、」



途切れ途切れでその暴走族の名を口にした。



その暴走族は当時のオレも知っていたが、何の関わりがあるかまではさっぱりだった。



「ブルースター??…あの族がなんだ。」



「……潰そうと、した。だから、」



潰した。と鋭く倉庫を睨みつける刹那は強い敵意が含まれていた。



…つまり、刹那が奴らを潰したのはブルースターという暴走族を潰そうとしたからだと。



あいつはそう言った。



「…お前、誰。警察…、?。」



「!!嗚呼、警視庁の者だ。」



何故だかオレが警察だということを知っていて驚いた。



だが、すぐに顔を戻し、所属と名前を言った。



「組織犯罪対策第三課の宮本大輔だ。」



「……みや、もと、……だいすけ…、?」



「嗚呼。
それより、お前は何故ブルースターを潰そうとした奴らを潰す必要があった?
お前もブルースター所属なのか。」



こんな幼い子供が暴走族所属なんて微塵も思っちゃいなかったが、一応その可能性も視野に入れ、問いかけた。



「……違う」



だが、予想通り刹那は所属ではないと否定した。