「ねぇ、なんでひまちゃんは殺し屋になろうと思ったの?」



わざわざ遠回りせず直球に聞くが、ひまちゃんが振り返る様子はない。



「ひまちゃんが私を選んだのはなんで?」



「…俺は、、
僕は殺したい奴がいる。」



「えっ…」



人が変わったかの様に私の方を振り向いたひまちゃんは殺意や狂気を含んだ目で私を見た。



…初めてひまちゃんに異常な恐怖を憶えた瞬間だった。



それくらい、ひまちゃんの目は異常だった。



「絶対に、僕はそいつを許さない。
そいつを殺すために僕は、、
俺は、殺し屋になった。」



すぅーっと目から殺意や狂気が無くなり、いつものひまちゃんに戻った。



「…ひ、ひまちゃん、、?」



「……何。」



震えた声でひまちゃんを呼んだ私をちらりと見、クルリと再び背を向けた。



「あ、あのさ、なんで私なんかを選んだの…?」



そのまま逃げたいくらい心臓がバクバクと鳴っていたが、私はどうしても気になり、再び問いかけた。



「………琳が、僕の____ 」



騎士「……か!おい、琳歌!!」



琳歌「ふぇっ!?なっ!、、なに、!?」



昔のことに1人、浸っていると近くで騎士の声がし、気がついたら目の前に騎士の顔があった。



吃驚して思わず変な声が出て、後ずさった。



目の前の騎士はなんだ。と言いたげな顔で私を軽く睨む。



琳歌「あ…ご、ごめん。吃驚して、」



騎士「…別にそれはいいけど、いきなり黙られたら驚くだろーが。」



琳歌「ご…ごめん。」



私が話の途中で黙ったから、驚いたらしい。



…だからって、そんな顔近づけなくたって……。



そう思ったが、私を(恐らく)心配してくれてのことだから、口には出さずに呑み込んだ。