星藍「…騎士もあんま遅くまで起きてんじゃねぇぞ?仕事じゃねぇんだから」



ケラケラといつものように笑い、まだ短くない煙草を灰皿に押し付けて立ち上がる。



騎士「言われなくとも徹夜なんてしねぇよ。仕事なら全部終わらせて来たからな」



星藍「ヒュ~
さっすが優秀社長秘書。仕事が早いなぁ」



茶化すようにポンポンと俺の肩を叩く星の手を振り払って、俺も立ち上がる。



騎士「うっせぇ、茶化すな。
終わってんのは今日と明日のだけだし、これから社長の手続きしなきゃなんねぇんだよ。
どうせお前の方だってそうだろ?」



星藍「まあな。でも、俺は若頭でただ組んでるってだけだし、基本的には虹羽組の奴らがやるだけ。

俺は秘書様と違って全然暇なんですよーだ。」



一気に子供っぽくなり、さっきまで煙草を吸っていた奴とは別人だ。



…まあ、元気になったのならいいんだが、



騎士「マジでその喋り方やめろ、聞いてるだけで寒気がするわ。」



星藍「ちょっ!騎士までひっど!!
癖で出んだから仕方ないじゃん。」



昔から俺に対しては口が悪く、俺が年上と言うことすら忘れてんじゃ…とたまに思うくらいだ。



とは言っても、いきなり敬語や違う喋り方になっても気持ち悪ぃだけだけど。



騎士「だったら治せよ。気持ち悪ぃ

っつーか!さっさと行けよ。いつまでいる気だ」



星藍「もう行くよ!!起きれなくなるし!
じゃ、また明日。騎士、おやすみ」



騎士「おう。」



星藍「(ボソッ)…ありがとう。」



俺の横をすれ違う時、耳元でボソッと呟かれ、反射的に後ろを向いたが、星はひらひらと手を振って行ってしまった。



騎士「はぁ…素直じゃねぇ奴。」



ま、それが星らしいけど。