騎士「…で?お前は琥珀にあんな事言って何がしたかったんだ??」



星藍「何が、って…別に?
ただ気になったことを言っただけだけど??」



ケロッと平然とした顔で煙草を吸う星は、他から見れば普通だが、俺からしてみれば我慢してるとしか見えない。



…あのまま琥珀に向日葵を意識させるようなことを言わなければ、これから琥珀がその気持ちに気がつくことはなかっただろうに。



向日葵のことなんて言えないほど、お前だってお人好しだろ。



騎士「…お前は初めから本気だったろ。」



星藍「え?」



騎士「っつーか、お前自体が向日葵が初恋だったんだろ?
だからこそ、お前はここまで協力した。

そうだろ、星。」



星と向日葵の関係は嘘だった。



…いや、嘘っていうと語弊がある。



向日葵は星のことを恋愛対象で見ていなかった。と言った方が正しいだろう。



…付き合っていた。というのはあながち間違いでは無いが、想い合ってはいなかった。



俺から見るに、星の一方通行だ。



星藍「……ほんっと、流石騎士だな。
まさか初めから気づいてたわけ?」



騎士「当たり前だろ。
無意識だったんだろうが、向日葵といる時、嬉しそうにしてるくせに時々泣きそうな顔してたぞ。」



てか、一番はわざわざ向日葵を追いかけてアメリカから帰ってきたことだ。



本気でもねぇ奴に星はそんなことしねぇだろ。絶対。



星藍「……でもよ、それでもいいって自分で決めたことだし。
なんか当時のひまは見てらんなくてさぁ…


何度俺の前で死にたい。っつったことか。」



出会った当時の方が幸せそうだったんだよなぁ…と懐かしむように呟いた。