騎士「…そうだな、大体2、3年前位だったか?たまたま向日葵の前で煙草吸おうとしたら、震えてんのがわかって。
初めは煙草の方かと思ったんだが、震えてたのは煙草に火をつけた時だけだったし。

それからは、俺自身も、永遠と久遠も、向日葵の前では火を使うなってことが暗黙の了解になったな。」



まさか火が怖いとは思ってもみなかったが、あの時の向日葵には悪いことをした。



その日の後、2、3日は会社に来なかったし。



星藍「…そんな前に気づいてたのか。

俺はさぁ、1年前にこっちに帰ってきた時、やっと気づいたんだ。」



騎士「あいつ自身が隠してたし、気づかなくて当然だろ。
お前だって、別にベビースモーカーなわけじゃあるまいし、そんな火なんて使わねぇだろ??」



星藍「そりゃそーだけど…」



納得がいかないらしい星は短くなった煙草を灰皿に押し付けて火を消し、もう一本煙草を出して火をつけた。



…お前こそほんと何も変わってねぇな。



騎士「お前は泣きたい時とかには必ず煙草吸うよな。」



星藍「!!
ちょ、さっきこーと話してたのも聞いてたのかよ!?」



騎士「故意にじゃねぇよ。
たまたまここに来たらお前らが話してたんだろ??」



嘘ではない。



実際聞きたくて聞いたわけじゃないし。まぁ、興味はあったけど。



星藍「…因みに聞くけど、どっから聞いてやがったんだ。」



騎士「お前が猫かぶってる時から。」



星藍「初めからじゃねぇかよ!

騎士…お前ほんっと性格悪いな…、」



騎士「お前にだけは言われたくねぇよ、星。」



俺より星の方がぜってぇ性格悪いし。



俺は星よりまだマシだし。