彼方「じゃあ、その大輔さんって人は刹那のことを何か知ってるってことだろ?
なら聞きに行くべきじゃねぇのか!?」



俺たちの中のリーダー格、琥珀の判断を求める彼方に琥珀は呆れたような顔で見下ろした。



琥珀「馬鹿じゃねーの。今何時だと思ってんだ?夜の8時すぎだぞ??夜の。
こんな時間に行ったって迷惑なだけだろ」



彼方「でも、何か手がかりがあるなら!」



琥珀の言うことは確かにその通りで、いつの間にか既に外は暗くなっていた。



そんな時間に押し掛けても、大輔さんに迷惑なだけでなく、近所迷惑だ。



琥珀「確かにそうだな。だが、今日はもう終わりだ。」



「「「「「「「「「「は!?」」」」」」」」」」



予想してなかった琥珀の言葉に俺たちが声を揃えて驚く。



希輝「なんでっ!」



琥珀「あのなぁ…さっきも言った通りもう夜なんだぞ。何時間ここで話してるつもりだよ??
明日だってまだあんだから、宮本大輔のところには明日行けばいい話だろ?」



陽向「そーそー。焦ったって何の得にもならないんだから。」



確かに何時間も座りっぱなしで疲れてはいる。



でも…



伊織「でも向日葵が!」



向日葵は今でも囚われているんだ。



琳歌「焦ったって混乱するだけって言ってるでしょ。ひまちゃんはあんた達みたいにたった数時間で殺られるほど弱くない。
今私たちが出来るのは状況を全部理解し、健全でいること。それしかないのよ」



…早く助けるべきだと考える俺たちは何も知らないからこそだ。



一番向日葵を助けたいのは琥珀たちに決まってるのに。



ガタッ



琥珀「今日はもう休め。
朝は8時に全員ここに集合。
部屋なら空き部屋が2つあるから、10人10人で別れてくれ。

あ、希輝は琳と同じ部屋な。俺とひなは自分の部屋で寝るから。
じゃ、解散。」



俺たちの方を向いて立ち上がった琥珀がパンッと手を叩き、解散の合図をしたことにより今日の過去話は終了した。