「…いっしょう、つぐなうから。
あなたたちきょうだいに、いのちをかけて。

だから、いまはわすれてください。
きょうのこと、ぜんぶ」



…簡単に胸倉を掴んでいた手を取られ、ぐいっとその手を引っ張られた。



そのまま女の子に飛び込むように俺は抱きしめられ、耳元に一言一言呟かれる。



何故かその声は子守唄の様に聴こえ、眠気が襲ってくる。



「ぜったい、あなたたちをまもるから。



………眠れ、水無月神楽。」



ブチンッ



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何かが切れたように眠りについた俺は、次に起きたら部屋にいて、その女の子のことも全て忘れていた。



…兄ちゃんのことも、火事のことも全て。



あの女の子が言った通りに。」



紫月「え、ちょ、その女の子って…」



神楽「うん。多分向日葵だよ。
目を閉じる直前に金髪と赤髪が見えたから。」



瞳も赤と銀だったし…



ああ、でも赤黒??っぽい感じでもあったかな…?



なんせ、あの時のことを詳細まで思い出そうとすると頭がズキズキして、ボヤけて、よくわからないんだ。



神楽「でも、なんで向日葵は記憶がないとわかってる俺に、わざわざ謝りに来たんだろう…?
俺が忘れてるならそのままにしておけば自分が殺したなんていう必要なかったのに。」



向日葵は元から俺が記憶を無くしてるって知ってた。



なのに、何故わざわざいう必要があった??