輝「なら、なんでマスターが代理であることやマスターが陽炎を作ったなんて嘘ついたんですか。」



輝はギュッと膝の上で手を握り、りゅーを軽く睨みつけた。



輝にしてみれば裏切られていたのと同じなのだろう。



ひまにかなり懐いていたみたいだったしな。



龍海「っ…それはっ…、!罪が澄海のことは隠せって言ったから言えなかっただけで…」



…まだ何か隠しているが、それを言うつもりはりゅーにはないらしい。



そんなりゅーをみて、更に問い詰める輝。



輝「じゃあ、俺たちが辞めるのを認めるのはなんでですか。
陽炎を潰すってことですか。
そうなったら俺たちはどうなるんですか…?」



これは俺のただの予測だが、輝には天しか家族がいない。



だからこそ、"陽炎"という居場所を失うのを恐れている。



…ひまと、同じだな。



龍海「…警察がいる前で言うのも何だけど、俺は陽炎を潰すつもりはない。」



輝「………は、?」



龍海「殺し屋組織の陽炎は辞めるが、陽炎自体を潰すつもりはない。
…まあ、後から詳しく考えるが、陽炎は"情報屋"組織として続けるつもりだ。」



りゅーは3人の居場所である"陽炎"を潰すつもりは全くないと否定した。



だが、殺し屋組織は辞めると宣言した。



響「…あの、マスター。
そのことは後でちゃんと説明してもらいますけど、とりあえず聞きたいこと、いいですか?」



龍海「おう。なんだ?」



響「…罪が陽炎のリーダーってどうゆうことですか?そんなこと一度も聞いたことないんですけど。」



…そういえば、俺たちだと一番上手い光陰が勝手に一番上の立場だと思っていたから命令とか言われても疑問に思ったことはなかった。



……ごく自然に俺たちはひまとは違う立場だと理解していた。