「ひっく…ひっ……。」
過呼吸は治まったが、次第に吃逆が出て、涙もまだ止まらない。
それでも父さんは俺の背中を摩り続けた。
「ひっ、ごめ、なさ…っ、!と、さん、おれの‥‥ッ、せ、で‥‥! ごめん、なさ……。っ」
しゃくりながら父さんにすがりついて謝り続けた。
俺のせいで、ごめんなさい、と。
「大丈夫、琥珀のせいじゃない。大丈夫だ。とにかくここを離れるぞ」
さあ、立て。と俺に手を差し出した父さん。
その手を俺が恐る恐るとろうとした、その瞬間。
ドカーンッッ
「琥珀!!」ドンッッ
「ぅわ‥‥…っ!!」バシャンッ
ガラガラガラガラッ
…上からさっきよりも大きな爆発音がし、俺は差し出されていたその手で、父さんに突き飛ばされた。
突き飛ばされた反動で、水が溜まる廊下へとバシャンッと音を立てて転がった。
それを見計らったかのように、俺がいたその場所目掛けて瓦礫が大量に落ちてきた。
「とう、さん??、‥‥…なあ、うそだろ…?父さん!!」
……父さんは、俺の目の前で、落ちてきた大量の瓦礫に下敷きにされた。
「とうさん!どこだよ!?へんじしろよ!!!!」
俺はバシャバシャと音を立てて水の上を走り、瓦礫を素手で掻き分けていく。
信じたくなかった。
俺が庇われて、また俺のせいで、
目の前にいたのに、俺は見ていることしか出来なかった。



