クロ * Full picture of the plan * Ⅳ




俺は父さんに頭を撫でられ、それのついでという風に抱き上げられた。



「ここはまだ火が回ってないみたいだな…」



「琥珀、なんでこんなところ知ってたのよ?」



火が回ってないことに安心し、少し落ち着いたのか、2人は俺を見て問いかけてきた。



「あの、パーティーにさんかしてた人が、このかいだんを使って、へやに来てくれって話してたのをぐうぜん聞いて……」



パーティー会場から戻る時、俺は偶然にもその会話を耳にした。



…内容から察するに愛人か何かだったのだろう。



まあ、今となってはどうでもいいし、そのお陰で下へと下りれたのだから感謝はしている。



「!!おい、階段が無くなってるぞ…」



何階分下りたのかはわからないが、一番下に下りる前に階段は終わっていた。



「でも、ここからならあの階段でも下りれるだろうし…」



「…とりあえず様子を見てみるか。」



母さんと父さんは2人で頷き合い、階段の終わっていた階の扉を開けた。



シャーッ



スプリンクラーが作動しており、階段とは逆側には少し炎が見えた。



恐らく、この階も急がないと危ないだろう。



走れるか?と父さんに降ろされた俺は縦に頷き、父さんの合図と共に走り出した。



「ハァハァハァ…」



いくら運動神経が良くても、子供の体力なんて計り知れている。



ツルッーーバシャッ



当然、父さんたち大人の足についていけるはずもなく、俺は濡れた床で足が滑って転んだ。



転んだ音に気づいた父さんと母さんは足を止め、俺の方へと戻ってきた。



…だが、



ドカンッーーバンッ



「っっ!!!!」



「ルリ!!」「母さん!!!!」