…そして翌日、7月11日。
俺たち家族は〇〇ホテルのパーティーへと参加した。
俺を呼んだというその"偉い人"は、何故かパーティーへは来なかった。
だから俺は何もすることがなく、すぐに部屋へと戻り、ひまに部屋番号をメールで教えた。
それと共に、日を越す直前にひなとひよも一緒に来てくれ。と送った。
理由は1つ、ひなとひまの誕生日を一斉に祝いたかったから。
…だが、その祝いは出来ずに終わった。
……7月11日の午後11時半頃。
そろそろ来て。とひまにメールを送ろうとした、その時。
ドカンッ
遠くの方から聞こえた爆発音らしき音で俺は携帯を落とした。
「……なんだ、?ばくはつ??」
生まれつき異常な程耳のいい俺には聞こえた爆発音は、既に寝ている父さんたちには聞こえていなかったらしい。
だからその時は俺の聞き間違いかな?と思い、俺はさっきの振動で落とした携帯を拾うため、テーブルの下へと手を伸ばした。
そして今度は、
ビーッビーッビーッ
[火災が発生しました!速やかに非常階段を使い、外へと避難してください!!
繰り返します!ーーーー]
いきなり部屋の外の警報が鳴り出し、焦った声の放送が入った。
そのことには流石に父さんたちも飛び起き、放送で状況を把握した。
当時の俺も、さっきの爆発音は気のせいじゃなかったのか…と火災が起きているという状況をしっかりと把握していた。
「あなた!早く!!」
「ちょっと待ってくれ、これを持って行かなければ…」
母さんは俺を抱き上げ、クローゼットへと入れていた鞄から何かを探している父さんを急かす。
父さんも慌てて鞄をひっくり返し、ガシャガシャと音を立ててものを探す。



