「陽愛!!」



…いや、助けられた。



「ひよっ!ひよっ!!」



離れた場所にいたはずの、ひよに。



…なぁ、なんで助けたんだよ。



"さよなら"ってなんだよ。



動こうともしなかった俺を、なんでひよが身代わりになるんだよ。



「ひよっ!!ひよっ!!!!
いやだっ!!いやだあぁぁぁぁぁぁあ!!」



わがままで、勝手に死のうとした俺が死なないで、



なんでひよが死ななきゃならない?



なあ、なんでみんな俺を置いていくんだ。



父さんも、母さんも、しーも、ひよも。



俺がひよたち無しで生きられるわけがないじゃん。



俺が弱いの知ってるくせに。



…なあ、俺を置いてくなよ。



「やだっ!!ひよっ!!しーっ!!
おいてかないで!!いやだっっ!!!!」



プツンッ



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…俺の記憶はそこで途切れた。」



「「「「「「「「「「…………。」」」」」」」」」」



琳歌「…途切れた。って、次に起きたら記憶は無くなってたってこと、?」



陽向「そう。俺が起きた時には全部終わっていて、病院だった。
記憶は全て失い、ひよのことも、しーのことも、火事のことも、全部忘れてた。」



そう、全て終わってたんだ。



途中で途切れた記憶は後に何があったかなんて知らない。



…俺は、



陽向「逃げたから。」



「「「「「「「「「「え??」」」」」」」」」」



陽向「俺のせいでひよが死んだのに。
自業自得なのに、俺は記憶を全て忘れることでその"罪"から逃げた。

俺のせいで!ひよはっ!!今ここにいないのに!!全部俺のせいなのにっっ!!!!」



俺のせいで!!!!



琥珀「…ひなっ!!」



陽向「っ!!……ッ…ぁ、、、。

…ッごめん。頭冷やしてくる」



無意識に声を荒らげていた俺は、こーが俺を呼ぶ声で我に返った。



…そして俺は、みんなの視線から逃げるように奥へと入っていった。