「なぁ!いっしょにかえろうよ!!
しーには弟たちがまってるんだろ?しーをまってる人が居るじゃん!!!!ねぇってば!」



「ひな!…ひな、だめだよ。
私たちが生きなきゃ、だめなんだよ。」



俺よりひよの方がしーを連れて帰りたかったくせに。



ひよは駄々をこねる俺に号泣しながら首を横に振り続ける。



「やだっ!しーは親友でしょ!?仲間でしょ!?いっしょに居なきゃいみないじゃん!!!!」



ひよを困らせたいわけじゃなかった。



すーたちに死んで欲しいなんて思わなかった。



それでも、言わずにはいられなかった。



親友だと、大切な仲間だと、そう言ってたのに。



そんな俺たちを簡単に置いていくのか。と、当てようもない怒りをひよにぶつけていた。



ガラッ ガラガラガラッ



「「「!!」」」



「ひな!!早くおりて来て!!くずれる!」



しーにすがりついていた俺以外はみんな少し離れたところにいた。



後ろから俺を呼ぶ声がしたけど、俺は動く気にならなかった。



…もしかしたら、どうせなら死んでもいい。って思ったのかもしれない。



……目の前に瓦礫が落ちてきた時、ああ、死ぬんだな。って。



そう思ったのに。



ーードンッ



「ーーーーーーーーーー。」



「…え、?」



ガッシャーンッ



…俺は、助かった。