真剣な顔で少女に言ったすーは恐る恐る少女の頭に手を伸ばし、頭を撫でた。
さっきと違って少女に拒む様子はない。
それどころか、ポロポロと静かに涙を流しだした。
「泣け泣け。子供は泣くのが仕事みてーなもんだからな。」
すーは俺と違ってオロオロと慌てる様子もなく、ただ優しい笑みを浮かべて少女の頭を撫で続けた。
…少女が泣き止んだのは思ったより早く10分程度だったが、少女はそのまま自然とすーに寄りかかるように眠った。
すーはそれを予想していたかの様に、起こさないよう、慎重に再びソファーへと寝かせた。
「…すーくん。」
ひよがすーに声を掛け、振り返った時には、すーには既にさっきの優しい表情はなかった。
「陽愛、陽向。説明してくれ」
「う、うん。
今日はね、2人でとおめの…ほら、こーくんとはじめて会ったこうえん!
そのこうえんにあそびに行ったの。ね、ひな」
「あ、うん。それでね、木にもたれかかって、血まみれで、俺がみつけたんだ!」
いつもの緩いすーじゃなく、怒ってる顔で俺たちを見下ろすから、慌てて発見時の時のことを思い出す。
発見時のことを順々に思い出し、文にならない言葉で説明した。
「痣や傷……なぁ、火傷の痕とかなかったか?あと、痣とかは腹や背中とかの服に隠れる部分が特に多くなかったか??」
少女の身体中にあった傷についても話すと、より一層眉間に皺をよせた。
…恐らくこの時に、すーはその傷の正体が予想ついていた。
今なら俺もわかるが、当時の俺にはさっぱりで、ただわかっていたのは少女自身がつけたものじゃないということだけだった。



