クロ * Full picture of the plan * Ⅳ




家に着いてすぐ、俺たちは救急箱を用意し、手当をしだした。



「…ひよ、この子」



「……ひどいね」



ボロボロだった服を脱がせ、ひよが体を拭き終わると、血塗れのせいで分からなかった身体が傷や痕でいっぱいだった。



「…とりあえず"あざ"にはしっぷをはって、"きず"があるところはぜんぶしょうどくしよう。」



身体全体に広がる大量の痣や傷。



それを見て顔を歪めながら俺たちは手当を進めた。



「んっ…」



手当を終え、ひよが少女に服を着せてソファーに寝かせていた子は目を覚ました。



「ひよ!おきた!!」



「だいじょうぶ!?」



近くでその様子を見ていた俺がひよを呼び、その子に近づいた。



…だが、



「…だれ?僕を殺してくれるひと??」



初めて見た、綺麗な赤黒色と銀色の瞳は真っ暗な闇に染まっていた。



その子は幼いのに、何故か全てを諦めているようにも見えたのだ。



「…ころさないよ?」



「…どうして??僕を殺してくれないの?」



無表情で殺してと淡々と言った目の前の子に、俺はただただ固まるしかなかった。



そんな俺を横目に、ひよは困惑気味でその子へと問いかける。



「…どうしてそんなにころしてほしいの?
あなたが血まみれだったことにかんけいあるの??」



「…………。」



だが、その子はそれっきりで何も話すことはなかった。