「…騎士さん、これ何なんですか?」



横から俺のPCを覗いていた久遠が思わず、といったように俺に聞いてきた。



…だが、俺に聞かれたってわかるはずがない。



「……知らねぇけど、とりあえず書いてある通りのとこ見りゃあいいんじゃねーの?」



そう思った俺は社長のデスクの2段目の引き出しを開けた。



いつもなら鍵が掛かってるはずなのに、何故か鍵はあいていて、中には沢山の重要資料が入っていた。



いつもなら気にするところだが、その時はそれどころじゃなく、奥を見るためにただただ沢山の資料をデスクに出していった。



…そしてメッセージ通り、空になったその引き出しの奥を探った。



……そこにあったのは、一枚の茶封筒だった。



糊付けはされておらず、これを見ろということで俺にメッセージを送ったのなら、見ていいんだよな?と勝手に判断し、中のものを取り出した。



茶封筒の中は二枚の紙が入っていた。



一枚目を開いた俺は、内容が信じられず、思わず破り捨てそうになった。



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虹グループ社長代理 桃井向日葵


社長である虹羽姫星の遺言により、新たな社長は虹羽姫星の実娘、虹羽希輝となる。

私、桃井向日葵はこれより社長代理を降り、今後一切虹グループへと接触しないことをここに約束致します。


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