琥珀はちゃんと聴こえていることを確認し、くるりと椅子を回転させた。



そして、いつもの口調で話し出す。



琥珀「…何から話す?」



……………、



『「「「「「「「「「「おい!」」」」」」」」」」』



拍子抜けする琥珀の言葉に'向こう'も、ここにいる奴らもハモって言った。



俺は声は出さなかったが、はぁぁ…と大きくため息をついた。



??「あれだけ仕切っといて考えてねーのかよ!?」



琥珀「あー、何を話すかは決まってっけど、何から話すかは決めてない。」



呆れた目で琥珀を見る天の隣に座っている誰かは、琥珀と仲がいいらしい。



『じゃあ、俺から質問いいか?』



色んな奴からグチグチ言われる琥珀をただ見ていたら、'向こう'からの声が掛かる。



それに気づいたこいつらもピタリと琥珀への文句を言うのをやめた。



琥珀「なんだ?瞬也」



『いや、話とは全然関係ねぇけどさ、そっちに居るのは誰だ?
琳歌のところに行ったんなら騎士とかもいんのか??』



琥珀「あー、んじゃ下の名前だけ言ってくからちゃんと聴いてろよ?」



行くぞーと俺らの返事も聞かずに説明しだした。



琥珀「奥から、志、雷、京、飛鳥、円。その正面が、希輝、紫月、伊織、彼方、神楽、凪。」



俺らにも分かるように一人一人指を指していく。



恐らく、奥からとか正面とか言っているのは俺たち分からない奴がいるためだろう。



琥珀「そっちのテーブル席のは、龍海、天、響、輝。その正面に春暁、秋良。」



…春暁?



あ、確か警察の奴だ。



前、向日葵から聞いたことがある奴だな。