葉亮「おい。俺のも取ってくれ」



また上から声がし、顔を上げると今度は葉亮さんが下をのぞき込んでいた。



誰、とか特定の人に言ったわけではないらしく、俺と目が合うとクイッと顎で段ボールの方を指される。



思わず、俺?という意味で自分を指すが、そうそう。と葉亮さんは頷く。



まだ話をしている先代たちの隙間を通り、機械を2つとも取った俺は再び元の場所へ戻り、上へと投げた。



壊さないか、と不安になったが、葉亮さんは落とす素振りすらなくキャッチしてくれた。



覗いていた頭が見えなくなったと思いきや、葉亮さんはひょっこりすぐに顔を出した。



少しびっくりして目を丸くするが、上にいる葉亮さんはまた俺に合図した。



…えーっと?



4??…段ボール箱?



何故か指で説明する葉亮さんの言葉を必死で読み取る。



指は4本立て、次に段ボール箱を指す。



…つまり、あと4人分持ってきて。ってことか?



そう解釈し、コクコクと葉亮さんに頷き、残りすべてを持ってきた。



行きますよ!と手を振ると、上から葉亮さんだけでなく、白さんたちも下を覗いていた。



恐らく4人分とは白さんたちのことだ。



そう分かったから、俺は葉亮さんではなく、白さんたち一人一人に向けて投げた。



白さん、昴さんは危なげなくキャッチし、青さんと翼さんは割と危なかったが一回でキャッチしてくれた。



そして、それを確認した俺の耳に聴こえてきたのは、琥珀の声だった。



『聴こえているか。
今から話をするが、準備できたな?』



全員イヤホンから聴こえていて、手をイヤホンに添えて聴いている。



その代表として、俺は端末のボタンを押して答えた。



和月「こっちは全員準備OK。始めていいよ」