もう、これ以上何があったってよかった。



俺は既に青星を裏切ってて、バレるのだって時間の問題だって。



それでも、あの時はバレたくない一心で、俺は向日葵の言葉を受け入れた。



「クククッ…
契約成立、だな。

この願いは誰にも言うなよ?
言ったら即、俺はバラすから。



じゃーな、"スパイ"さん??」



…だから、去り際にそう言って行った向日葵が俺には別人にしか見えなくて。



ただただ恐怖だけを感じながら向日葵の背中を見つめてた。



………それからは、ずっと向日葵の願いのためだけに俺はボスに情報を流し続けてた。



けど、数日前…



向日葵から電話があった。



勿論用件は契約の話だったが、俺の予想を大幅に超える話だった。



『…もう情報は流さなくていい』



……だから俺はスパイをやめられた。



それなのに!情報が流れてるって…



意味がわからない、



何年もスパイやってたけど、一度もそんなことなかった!」



琥珀「……ひまが流したんだろーな。」



「「「「「「「「「「え(は)!?」」」」」」」」」」



声を荒らげた俺に冷静に返した琥珀の言葉は、俺の熱くなった頭を冷やすには充分だった。



伊織「……どうゆう、ことだよ?
向日葵がそれをやってどうなる??」