朝礼が終わって、教室へ戻った。そのまま、休み時間に入るから行きと違って帰りはバラバラになる。


そして、朝礼があった日は大体5分程、休み時間を延ばしてくれる先生が多い。


講堂から出て、どの子も自分の仲の良い子と楽しそうに喋りながら購買部に向かったり、教室に戻る姿が目につく。



いつもなら、サヤ達が声を掛けてくるけど、あんな事をしたから声を掛けてくることはなかった。




当たり前だよね……。




あたしは、自分に言い聞かせならも胸がズキっと痛んだ。





やっぱり怒っているんだ……。



胃がキュウっと縮こまる。


教室に戻るのが怖い……。


このまま、早退したい……。

姫梨ちゃん達の顔を見たくない。



目を閉じて、ブラウスの胸元を強く握り締めた。



「莉音!!」


とそこへ、あたしを呼ぶ声がして顔を上げる。



「あ……」


「なかなかやるな〜お前。見ててスカッとしたよ」 


あのバカがチョロチョロと飛び回る。



あたしのブルーな気持ちと真逆にスッゲーテンションが高い。



「てか、あんたあたしの何とかのオーラを取って帰ったんじゃないの?」 



ハエの様にチョロチョロ飛び回るそれに、あたしは小さな声で問いただす。