わたしの隣を歩く文徳先輩が、不意にまじめな顔をした。 「さっきの連中はおれたちを狙ってる。鈴蘭さんも顔を覚えられたはずだ」 「あ、それは朝の時点で覚えられてたみたいで。わたしが文徳先輩と話していたのを、あの人たち、見ていたそうです」 文徳先輩は眉間にしわを寄せた。 「そのせいで襲われかけたのか。ごめん、巻き込んでしまって」 「えっと、謝らないでください。結果的にはわたしも先輩たちも無事だったし。わたし、これからも気を付けるので」 「そのことだけど。鈴蘭さんは帰宅部?」