煥先輩がこぶしを繰り出した。 駆け抜ける勢いを乗せたストレートパンチが学ランの頬に突き刺さる。 学ランはひっくり返った。 気絶したのか、ピクリとも動かない。 煥先輩はボウガンを踏み付けた。 バキッと壊れる音がした。 暴力は嫌い。 でも、わたしは博愛主義者なんかじゃない。 「因果応報、自業自得」 達成感を込めて、つぶやいた。 煥先輩が戻ってきて、わたしのカバンを拾い上げた。 文徳先輩は小気味よさげに笑った。 「ご苦労さん、煥」 「苦労はしねぇが、鬱陶しい」