「お嬢、よかったじゃん! 名前、覚えてもらってんだね!」
いつの間にか、寧々ちゃんが隣にいた。
尾張くんは、いつになく目を輝かせている。
「煥先輩、カッケェよな。すげぇ強いんだぜ。強すぎて、銀髪の悪魔って呼ばれてんの」
悪魔。どうなんだろう?
あの人も能力者だから、わたしが能力者でも怖がらない。
今日の帰りも送ってくれるって言った。
悪い人ではないのかもしれない。
だけど、怖い。
感情の読みづらい声と瞳。文徳先輩とは正反対の雰囲気。
カバンの中で青獣珠が言った。
――チカラが集い始めた。因果の天秤に均衡を取り戻すために――
何かが起ころうとしている。



