「もしもし?」
〈ああ、安豊寺鈴蘭さんだね?〉
「はい」
〈突然の電話、すまないね。挨拶をしておきたかったのだよ。今日から娘が同じクラスでお世話になる。仲良くしてやってほしい〉
「む、娘っ?」
〈娘のさよ子が、先日こちらに越してきたんだ。私はいくつか家を持っているんだが、
娘は、襄陽学園にいちばん近い家に住むことにしてね。同じ家に下宿中の海牙くんが驚いていたよ〉
「これは、さすがに……いくら海牙さんでも驚きますよ……」
平井さんは楽しそうに声をたてて笑った。
〈煥くんは月聖珠の預かり手を消し去ったが、彼女の肉体化まで否定したわけじゃない。私が引き受けるのも、一つの案だと思ってね。とにかく、さよ子をよろしく〉



