北口広場で、長江先輩と海牙さんと落ち合った。
長江先輩は女の子連れじゃなかった。
「これからデートじゃないんですか?」
皮肉を言ってみたら、長江先輩は肩をすくめた。
「おれ、門限があるんだよね~。今からデートは、ちょっと無理だね」
「門限、守るんですか? 意外です」
「守るよ~。同居の姉貴が厳しくて、頭が上がんないもん」
海牙さんが、緑色がかった目をクルッとさせた。
「お会いしたことないんですよね。リヒちゃんのおねえさんなら、美人でしょうね」
「美人だよ。胸おっきいし。マジで会わせよっか?」
「ぜひお願いします」
「んじゃ、ぜひ持ってって。けっこう強烈な人だから、覚悟してね?」



