前に経験したとおりに、時間は流れる。
ライヴが終わる。
亜美先輩と飲み物を買いに行って、緋炎《ひえん》に襲われる。
亜美先輩が撃退する。
文徳先輩と亜美先輩のやり取りに、わたしはもう傷付かない。
「幼なじみで許嫁《いいなずけ》だなんて、ステキですね。お似合いで、うらやましいです」
正直なことを言ってみた。
文徳先輩は亜美先輩の肩を抱き寄せた。
「うらやましいだろ? 実はけっこう尻に敷かれてるんだけどね」
「こら、文徳、調子に乗るな!」
パシンと文徳先輩の頭を叩く亜美先輩。
微笑ましいというか。ごちそうさまです。



