小夜子がふわりと宙を舞う。


掲げたツルギが月光を吸って輝いて、次の瞬間、振り下ろされる光の軌跡が牙を剥いて飛んでくる。



長江先輩がツルギを正面に構えた。


切っ先から熱波が噴き出す。


月光の衝撃波を相殺する。



わたしの手の中で、青獣珠が呼んでいる。


自分にもチカラがあるのだ、と。


わたしは青獣珠の声に従う。


頭にイメージが流れ込む。


春の風に、花びらが吹雪く。


木の属性を持って春を司る青龍の意志が、無力なわたしにチカラを授ける。



小夜子がツルギを振りかぶった。


振り下ろす。


衝撃波と炎が、呑み込み合って消える。