「う、嘘……」
一瞬で胸が苦しくなった。
ドキドキが激しすぎる。
顔が熱くなってくる。
長江先輩がまじめな顔をしている。
「嘘じゃないって。少なくとも、予知夢で見た未来ではね。たっぷりからかってやりたいけど、ごめん、今はそんな状態じゃないや。
ねえ、平井のおっちゃん、訊きたいんだけど」
「何かな?」
「月の姫君が数千年に一度の肉体化をしてて、遠慮なくチカラ使いまくってる。
これって、一枝にとって負担でしょ? 重くなってバランス崩れて、折れちゃうんじゃない?」
平井さんが満月を見上げた。
「少し気味が悪い状態、と言っておこうか。すでにずいぶんと月の影響をこうむっている」



