海牙さんが冷静な口調で言った。
「とにかく、これで情報が出揃いました。
宝珠に願いを掛けたのは、月の預かり手。願いの内容は、煥くんとの恋の成就。
巻き戻しが起こる原因は、彼女の能力のせいでしょう。そうですよね、平井さん?」
ベンチに掛けた平井さんはうなずいて、丸い池の真ん中に建つ祠《ほこら》を手で示した。
「月は満ち欠けを繰り返し、沈んではまた昇る。その様子が、永遠を連想させるのだね。月は不老不死を司ると語り継がれている。この公園の名を知っているだろう?」
嫦娥《じょうが》、と全員の声が重なった。



