煥先輩はスマホをポケットにしまった。 長江先輩が長身を少しかがめて、煥先輩の顔をのぞき込む。 「あっきー、なんていうか、大丈夫?」 煥先輩は顔を背けた。 「オレにとっては、ただのメールじゃなかった。あせってたんだ。新曲の告知もしてたのに、詞がどうしても固まらなくて悩んでて、あの予知夢まで見て。 そんなときに、メールが来た。ブルームーンって響き、いいと思った。救われたんだ。青い月なら歌えると思った」 そんな大切な言葉の送り主をわたしだと、煥先輩は勘違いしていたんだ。