PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



ヘルメットや上着をしまい込んだ煥先輩は、わたしたちに合流した。


当然のように、小夜子も一緒だ。


小夜子は、淡く透けるような素材の青白いワンピースを着ている。


ほっそりしたスタイルに、よく似合っていた。



長江先輩が小夜子に目を向けた。



「これまた美少女だね~。あっきーってば、ナンパでもしてきたの?」



長江先輩は軽い口調を装っているけれど、目が笑っていない。


朱い光を宿す両眼は小夜子を鋭く観察している。



煥先輩は淡々と説明した。



「襄陽の進学科の一年だ。埠頭《ふとう》でフラフラしてた。家がこの近所らしいから拾ってきた」