PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



煥先輩がバイクから降りてヘルメットを外した。


頭を振ると、銀髪が跳ねた。



わたしは煥先輩に駆け寄ろうとした。


でも、体が固まる。



「何で……」



煥先輩に続いて、バイクを降りた人。


ヘルメットを外して上着を脱いで、煥先輩に笑顔でそれらを返す。



「ありがとうございました、煥さん! バイクって、速いんですね! 本当にステキな体験でした!」



はしゃいだ声。キラキラ輝く目。



「何で、小夜子が煥先輩のバイクに……」



煥先輩の背中にくっついて風になる体験をしたのはわたしだけだと、心を躍らせていたのに。