平井さんが、話をまとめるように言った。
「きみたちのその将来のために、そろそろ真実を追究するときが来たようだ」
平井さんは耳を澄ませる仕草をした。
それを合図にしたように、夜風がバイクの音を連れて来る。
「煥先輩でしょうか?」
「あっきーだろうね。大型バイクの音だ。瑪都流《バァトル》のバイクってさ~、エンジン音、ナチュラルなままなんだよね。
暴走族なんて呼ばれるけど、交通ルール守るし。あいつらはね、ただ走るのが好きなだけなの」
公園の出入口付近に光が躍った。
ヘッドライトだと気付いたとき、黒い疾風が公園に乗り入れた。
重さをものともせず、巨体が華麗に停止する。
エンジン音とライトが消えた。



