PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



「はい。少し読ませていただきました。すごいですね、海牙さん。理系なのに、漢文も読めるなんて」


海牙さんはウェーブした髪を掻き上げた。


得意げで嬉しそうな表情を隠し切れていない。



「あんなに勉強したのは初めてですよ。漢文が読めるようになると、古文もできるようになりました。古い文体を読む勘が身に付いたんだと思います。

古典の読みづらさをクリアできるようになったら、いつの間にか現代文の理解速度も上がりました」


「そうなんですね。すごいです」


「唯一の弱点だった国語も、もう怖くありませんね。志望校の旧帝大は、オーバーキルでA判定です」


「うらやましいです。わたし、入学して一週間でもう、進学科の授業のペースに置いていかれかけてます。要領悪くて。数学、どんな勉強の仕方をすればいいんでしょう?」