「イヤだ」
ポツリと、つぶやいてみた。
くすぶっているだけで、みじめで、情けなくて、ずるくて。
逃げ道ばかりを探す自分が、イヤだ。
海牙さんは強い。
生まれ持った能力のために苦しみながら、そんな自分にちゃんと向き合っている。
長江先輩は強い。
預かるべきものを忌み嫌いながら、いちばん信頼したいはずの人と戦っている。
「煥先輩……」
歌を聴いて、その人となりを知った。
自分の弱さや孤独や醜《みにく》さや不安を直視することは、とても痛い。
でも、目を背けちゃいけない。
見たもののありのままを歌う煥先輩は強い。



