わたしは門衛さんの腕をつかんだ。
「お願い、このことは内緒にして。煥先輩の免許の件、母が知ったら」
「わかりました。私からは何も申し上げません。奥さまにも大奥さまにも口外しませんから」
「ありがとう」
門衛さんは、お人好しそうに笑った。
「カッコよかったですね。リッター超えのモンスターマシンだったでしょう? 十六歳の少年が、あんなにスムーズに乗りこなすとは。彼自身はずいぶんと細身の体つきなのに」
「すごいことなの?」
「素晴らしい運動能力の持ち主ですね。私などでは、あのマシンに振り回されるのがオチです。いやぁ、憧れますね」



