バイク通勤の門衛さんが出てきたところで、煥先輩はサッとバイクを発進させた。
「鈴蘭お嬢さま、お帰りなさいませ。今のバイクの男は何者ですか?」
門衛さんは煥先輩を知っているけれど、今はヘルメットで顔も髪も見えなかった。
「白虎の伊呂波よ。送り迎えをしてくれてる」
門衛さんはわたしのカバンを持ちながら、眉をひそめた。
「彼は十六歳ではありませんでしたか?」
「そうだけど」
「大型バイクの免許は、満十八歳でなければ取得できません。彼の年齢で、あんな大型を乗り回すなんて」
法律違反だったんだ。
暴走族。不良少年。銀髪の悪魔。
忘れていた言葉が頭によみがえる。



