嫦娥公園の出入口にバイクがあった。
「わぁ、大きい!」
「原付にでも乗ってくると思ったのか?」
「そうじゃないです。うちの門衛さんの一人がバイク好きで、いつも大型バイクで通勤してくるんですけど、
彼のバイクが標準サイズだと思ってました。六〇〇cc、だったかな?」
ccというのは、排気量のこと。エンジンのパワーを示す数字らしい。
煥先輩のバイクは、六〇〇ccとは全然、迫力が違う。
想像していたのより二回りは大きい。
全体が黒で、ところどころがシルバーだ。
「四〇〇cc以上が大型だ。六〇〇は小回りとパワーのバランスがよくて扱いやすい。こいつは一千《リッター》超えだ。ここまでデカいのはめったにない。
まあ、オレの趣味じゃなくて、死んだ親父が乗ってたバイクだけどな」



