笑いながら煥先輩に話しかける文徳先輩の横顔は、生き生きとして楽しそうだ。
生徒会長としての堂々とした姿もカッコいいけれど、あんなふうに普通に楽しんでる姿もいい。
何もかもがカッコいい。
朝から幸せな気分だ。
体がふわふわする。
「お嬢、よかったじゃん! 名前、覚えてもらってんだね!」
いつの間にか、寧々ちゃんが隣にいた。
尾張くんは、いつになく目を輝かせている。
「煥先輩、カッケェよな。すげぇ強いんだぜ。強すぎて、銀髪の悪魔って呼ばれてんの」
「銀髪の悪魔? 強いって、ケンカのこと?」
「当然。それに、バイク乗っても速いって噂だ。すげぇよな」
男子の「すごい」の基準はよくわからない。
ケンカが強いことって、ステータスなの?



