わたしが文徳先輩に惹かれた理由は、一言でまとめると、完璧だからだ。
完璧な条件、完璧なスペックだから。
そうだ。
恋い焦がれたというよりも、ほしいと思った。モノみたいに。
「おれの彼女の亜美は、美人で料理がうまいし、腕も立つし、ベースも弾ける。だけど、完璧なんかじゃないんだよね。成績は普通だし、気が強すぎる。
それでも、おれは完璧じゃない亜美が好きだ。完璧になってほしいなんて望まない。こういうのが、おれの恋だ」
「わたしの感情は、それじゃあ……」
「ただの憧れ、だろうね。失礼なことばかり言って悪いけど、本気の恋かどうか、目を見ればわかるよ。おれは煥と違って、鈍いわけじゃないから」



