「煥に嫌われてる? そうかな?」
「嫌われてます。なのに、煥先輩はわたしを守ってくれる。煥先輩は強くて、頼りになって、だから、気付いたら、わたし……」
言葉が続かなくなる。
声が震えて、息が震えて。
文徳先輩がゆっくりと、かぶりを振った
「こう言ったら失礼かもしれないけど、鈴蘭さんはたぶん、いろいろ勘違いしてるよ」
「勘違い……」
文徳先輩はいつもの笑顔だった。
生徒会長としての、品行方正で頼もしげな、よそゆきの笑顔だ。
「おれは目立つ存在だから、憧れてもらうことはよくある。でも、それは恋じゃない。少なくとも、おれが知ってる恋とは違う。恋に条件やスペックは関係ないんだ」



