わたしの心境は変わった。
大きく変わった。
文徳先輩と二人きりだ。
少し前までのわたしなら、舞い上がったはずだけれど、今はそうじゃない。
わたしの心にいる人は、文徳先輩じゃない。
「わたし、文徳先輩のことが好きでした」
泣きそうな声が、ポツリとこぼれた。
「鈴蘭さん?」
「去年のオープンキャンパスのときも、今年の入学式のときも、わたしが校内で迷ったときも、生徒会長の文徳先輩はカッコよくて、好きでした。
亜美先輩とのことを知って、悲しかった。わたし、一度、間違いをしてしまいました。そのせいで煥先輩に嫌われてます」



