「でも、わたしのことで時間を割いていただいて……すみません」
「いいんだって。それより、煥の様子が変なんだよ」
「煥先輩が?」
「昼休みの終わりにフラッとおれのところに来たんだけど、死んだような目をしてた。どうしたんだって訊いたら、刺されたっていう一言だけ」
文徳先輩は紅茶の紙コップを机の上に置いた。
わたしを見る視線が、話を促している。
わたしは紙コップを両手に包んだ。
紅茶のぬくもりを感じながら、口を開く。
「今日の夜から巻き戻ってきました。煥先輩は、わたしをかばって刺されたんです。文徳先輩はどこまでご存じですか? 預かり手の役割のこと、聞いてますか?」
文徳先輩はうなずいた。



