「歌う人なんですね。声、印象的ですもんね」
「あ、わかる? あいつの声、いいだろ? 兄弟なのに、声は全然違う。あいつだけ、ほんとに特別な声してるよ。
おれ、あいつの声が好きでさ。よかったら、聴きに来てほしいな」
「機会があったら、ぜひ。文徳先輩がギターを弾くところも見たいです」
「ありがとう。まあ、そのうちね。じゃあ、おれ、煥を追い掛けるから」
チラッと手を振った文徳先輩が、軽快に駆け出した。
文徳先輩が煥先輩に追い付いた。
あ、やっぱり文徳先輩のほうが背が高い。
二人とも脚が長いな。
メニュー